　安置されていた当時の鎧一領です。その後、兜は盗難にあいましたが、鎧は鹿児島県歴史資料センター黎明館に保管されています。

　鬼丸神社の社は、60段程の石段を登り、松林に囲まれた小高い丘にあります。
　祭神は禰(ね)寝(じめ)（小松）家16代右近太夫重長(しげたけ)公です。その子17代重張(しげはる)公は父重長公が、大隈地方で勢力を振るう剛勇で、徳政を布き、領民に慕われていたので社を建てて、その霊を祀りました。重張公は国替えを命ぜられて、根占から吉利の領主となると、父重長公の英霊を祀るためここにも鬼丸神社を建て、御神体として鎧一領と鏡が安置されていました。
　神社では6月第一日曜日に、「せっぺとべ」という田植え踊りが奉納されます。小松帯刀公もお千賀どのを伴い、祭礼当日参拝し、踊りを見物していました。